【こんな症例も治りますシリーズ 771】『 突然嘔吐が始まった猫ちゃん 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、猫ちゃんの嘔吐している姿です。

 

『 吐いたらすぐ受診を! 肝機能異常が見つかった猫のケース 』

 

 

猫 ミックス猫 5歳 メス(避妊手術済)

 

 

 

【 普段は元気でしたが、固形物を食べず、チュールだけ食べた翌朝に嘔吐。『一時的な吐き戻しかと思ったけれど心配で…』 】と、来院されました。

 

 

 

◆◆  元気はあるものの、固形物を口にしない状態が続いていたため、血液検査・レントゲン・腹部エコーを実施しました。

 

 

 

 

■ 血液検査ではGPT(肝酵素)が約500 U/Lと高値を示し、腹部エコーでは肝臓に低エコー領域が確認されました。

 

 

 

 

 

★★  治療内容

 

 

■ 来院当日に点滴と強肝剤の注射を行い、内服で胆汁酸代謝改善・肝保護作用の薬剤を処方しました。

 

 

 

 

 

★★ 治療後の経過

 

 

■ 治療開始後すぐに食欲が回復し、固形物もよく食べるようになりました。

 

 

■ 嘔吐も止まり、数日後には普段通りの元気な姿に戻りました。

 

 

 

 

 

★★ 飼い主さんへのメッセージ

 

 

■ 今回のように、元気があっても『食べない』、『吐く』という症状は、肝臓を含む内臓のトラブルのサインであることがあります。

 

 

■ 症状が軽くても病気が進行している場合があるため、早めの受診が大切です。

 

 

 

 

 

★★ 定期健診のすすめ

 

 

■ 猫は体調不良を隠すのが上手な動物です。 症状が出たときにはすでに病気が進行しているケースも少なくありません。

 

 

■ 年1回以上の健康診断(血液検査・画像診断、腹部エコーなど)、シニア期(7歳〜)は年2回の検診をおすすめします。

 

 

 

 

 

★★ まとめ

 

 

■ 今回のケースでは、早めの受診によって肝臓の異常が発見でき、すぐに治療を始められました。

 

 

■ 『 たった1回の嘔吐 』でも、気になる症状があれば迷わず動物病院へご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

Page Top